EVERYDAY交響曲

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食事介助。なかなか口を開いてくれない患者のケース、どう対処しますか?

      2016/07/29

食事介助をしていて、一番困ることの一つにあげられるのが、「口を開けてくれない」というものがあると思います。

無理矢理食べさせてもダメ

食事介助の現場で、結構頻繁にみられる事案として、「スプーンを口元に持って行っても、口を開けてくれない」といった話を聞きます。

無理やりスプーンをねじ込んだり、口の両端から挟んで、口を開けるようにしたり・・・。いろいろやってみたことがある方も多いのではないでしょうか?

ただ、いずれの方法にせよ、「無理に」食べさせても、なかなかいい結果には結びつかないことが多いように感じています。

「患者さんが口を開けてくれない・・・」ということについては、患者さん毎に、おそらく異なる原因があると思われます。

意識障害のある患者さんの場合

そもそも意識障害があるのかないのか、という点は、しっかり見極める必要があります。
意識障害がある場合は、当然食事はできません。
いつもと様子が違う、寝ているというのとはちょっと違う・・・?
といった様子を感じたら、無理に食事を進めるのは、むしろ危険です。

では、意識障害がある患者さんには、食事をとれるようになるための準備段階的な方法は皆無なのでしょうか?

一般的に、意識障害のある患者さんにしてあげられることは、

・座る時間を確保する

・音楽を聴いてもらったり、刺激を与える

・顔のマッサージや口の中の掃除を心がける

といったことが挙げられます。

まず、他に全身的におおきな問題がなければ、座る時間を確保することをお勧めします。

病院の言語療法士に聞いたところ、

長い時間寝たきりになっていると、飲み込みに必要な 喉の骨の動きが悪くなり、将来的に飲み込みに悪影響を及ぼす、

と言われました。

「座ってどうするの?」ではなく、「座ることに意味がある」という認識が広がりつつあります。その他、話しかけたり、身体に触れたりして、刺激を与え続けることも、覚醒を促す助けになると言われています。

さらに、意識障害があっても、顔のマッサージや口の中の掃除を行うとよいようです。
思ったような反応が返ってこなくても、根気よく続けることで、覚醒につながってくることもあります。

意識障害がないのに、拒否をする場合

意識障害がないのに、食事を拒否されることもあります。

何か理由があって拒否しているのか、単に食べたくないから拒否しているのか。それとも、そもそも「食事」という認識をしていないから拒否しているのか。

それは、患者さんごとにしっかり見分けていく必要があります。
残念なことに、画一的な方法はありません

これまでに体験した症例では、
「人に食べさせてもらうのが嫌だ」と、お腹が空いているだろうのに食事介助を拒否されたこともあります。
また、おにぎりにして自分の手におにぎりを持たせたら食べてくれたこともありました。
家族がもってきたお惣菜なら、食べてくれた患者さんもいました。

いずれにしても、本人が「嫌だ」と思ってしまったものは、なかなかうまく行きません。

そして、「嫌だ、食べない」となってしまうと、「じゃ、仕方がない。点滴しようか・・・」という流れになったことも、結構あるように思います。

そういった流れをできるだけ防ぐために、患者さんと接する医療医療従事者は、患者さん一人ひとりに「丁寧に」問診し、原因をつきとめる、ということが重要になってきます。

そもそも食べ物の認識ができていない場合もあります。
こういった場合は、口腔ケアを継続しつつ、食べ物に味や香りをつける工夫が必要になってきます。
また、口腔内マッサージやアイスマッサージ、舌の運動や呼吸の練習・・・などの練習も必要です。

うつ状態も考える

私の担当の患者さんに、Aさんという方がありました。
食事が食べられなくなってきたため、入院となりましたが、その後うつ病になっていたことが判明。

周りの人たちからの声かけや、精神安定剤の投与で徐々に改善の兆しが見え、その後少しずつですが食事がとれるようになった方がありました。

食事をとれない間も、スタッフはお顔を拭き、歯磨きをさせ、髭をそってきたことが良かったのだ、と思っています

食事は、環境を変えるためにも可能であれば車いすに座ったり、部屋からでることも、よいと思っています。

なかなか、「これ」という方法がないのがつらいところではありますが、じっくりと時間をかけ、一人一人の問題点や原因を探していくしか、方法はなさそうです。

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