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24時間テレビ:顔にできた腫瘍「横紋筋肉腫」とは?再発や予後について

   

2016年8月27日、24時間テレビで「横紋筋肉腫」という病の男の子のドキュメンタリードラマがありますね。彼の名前は、塩川利音くん。小学5年生です。歯の痛みから、顔面に巣食っていたこの病気が分かり、壮絶な治療を受けました。その前向きで明るい姿が、多くの人の心をとらえています。

彼の顔にできた横紋筋肉腫。どんな病気なのか?

24時間テレビで取り上げられた塩川君。彼の顔面にできた腫瘍は「横紋筋肉腫」というものでした。病気と闘う家族を取り上げたドキュメンタリー映画「Given~いま、ここ、にあるしあわせ~」に、彼は家族と一緒に出演していました。

横紋筋肉腫というのは、将来的に筋肉になる細胞から発生したガンだと考えられています。
 

この「横紋筋」というのは筋肉の種類です。
 

筋肉は、大きく分けて横紋筋と平滑筋に分けられます。
横紋筋は自分の意志で動かすことができる筋肉です。
平滑筋は内臓に分布する筋肉で、こちらは自分の意志で動かすことができません。
 

横紋筋肉腫は、この「横紋筋」になる手前の細胞から発生するガン、というわけです。

しかし実際には、鼻の中や、目の奥、腹部などからも発生することが少なくありません。
これはどういうことかというと、手術という選択をした場合、その発生場所によって整形外科や耳鼻咽喉科、眼科、といったように様々な科と連携していく必要がある、ということなのです。
 

この横紋筋肉腫は、患者のうち70%が10歳未満
1歳までに診断されることも約5%という数字が示されています。
 

小児ガン全体のうちでは、5~8%と、さほど高くはない発症率なのですが、軟部組織から発生するガンだけで見ると、小児では最もよく見られるガンなのです。
 

横紋筋肉腫の検査・診断

画像検査:
他の腫瘍の検査と同様、腫瘍の全体像をつかむため、CTやMRI、骨シンチグラフィ、レントゲンといった画像での診断が一般的です。
 

骨髄穿刺検査:
腰の骨に針を刺し、注射器で骨髄液を採取します。小児では骨が柔らかく強い痛みを伴うため、鎮静薬を使用したり全身麻酔下で施行されたりします。
 

病理検査:
横紋筋肉腫では必ずといってもいい検査です。腫瘍の一部分を採取し、顕微鏡で見たり遺伝子を調べたりすることで組織の顔つきを見ます。この検査によって、大体の悪性度が分かるので、その後の治療方針を決める際に有用な情報が得られます。
 

横紋筋肉腫のように、軟部組織にできたガンの場合は、腫瘍の一部分を採取するとき、針を使った針生検はあまり行いません。採取できる腫瘍細胞の量が十分でないため、しっかりとした検査ができないと考えられています。
 

横紋筋肉腫のステージ

ステージとは、ガンの進行がどの程度なのかを示すものです。横紋筋肉腫治療研究グループが示した治療前のステージ分類では、以下の4つのステージに分けられています。
 

ステージ1:
原発腫瘍の場所は、眼窩、傍髄膜を除く頭頸部、腎臓、膀胱、前立腺を除く泌尿生殖器、胆道で、転移のないもの
 

ステージ2:
原発腫瘍の場所は、上記その他のすべての部位であり、腫瘍の大きさが5cm以下。転移のないもの
 

ステージ3:
原発腫瘍の場所は、上記その他のすべての部位であり、腫瘍の大きさは5㎝以下または5㎝以上、リンパ節に転移がない、またはリンパ節に転移があるもの。ただし、遠隔転移はなし
 

ステージ4:
原発腫瘍はあらゆる部位からで、あらゆる大きさの腫瘍であり、遠隔転移のあるもの
 

横紋筋肉腫の特徴として、
「予後良好部位」に発生した腫瘍であれば、遠隔転移さえなければ腫瘍が大きくても腫瘍の近傍にあるリンパ節への転移のある・ないにかかわらず、ステージ1として「治りやすい」と言われていることです。
 

他の腫瘍でも言えることですが、遠隔転移がないことはとても重要です。
病気が発見されたとき、もしも遠隔転移があったりすると、とても負担のかかる治療が必要となります。
 

横紋筋肉腫の治療

横紋筋肉腫は、手術で完全に腫瘍をとり切ることができたとしても、再発してくることがある悪性の腫瘍だと言われています。したがって、手術後も抗がん剤治療が必須となっています。また、基本的な治療は、以下の三本柱としてとらえられています。
 

手術:
腫瘍をすべて取り去ることを目的に行います。しかし前述したように、横紋筋肉腫は再発しやすい腫瘍であるため、機能をなるべく温存できる範囲で、なるべく広い範囲の手術をした方が、生存率は上がると言われています。
 

抗がん剤:
手術後の再発を抑える為にも必要な治療です。
画像所見ではリンパ節の腫れがなくても、病理検査では実は腫瘍が転移していた、ということもあります。そのようなことがないよう、再発を抑え込む必要があります。
 

放射線治療:
現在の横紋筋肉腫治療の考え方では、ほぼ全症例に対し、腫瘍がもともとあった部位に放射線治療を行います。再発を予防するために取られている選択です。
 

以上のような、手術、抗がん剤、放射線治療を用いた総合的な治療が、横紋筋肉腫には必要だと言われています。
どの順番でどの治療をするのか、どの程度の手術や放射線を使うのか、といったことまで、様々な要素を勘案して治療方針が決められます。
 

横紋筋肉腫は治るのか?その予後は

横紋筋肉腫の患者さんは、どの程度で治るのでしょうか。
治療後、5年間再発なく患者さんが生存しているかどうか、を調べたデータでは、診断時のリスクが低ければ80%~100%といわれています。
 

これはかなりの高確率です。前述のとおり、腫瘍が予後良好部位からの発生で転移さえなければ、ほぼ治る、と言っていいでしょう。
 

ただし、高リスク症例では、5年生存率は30~50%と厳しい数字です。
 

腫瘍発生部位はどうしようもできないといった側面がありますが、発見時期についてはやはり横紋筋肉腫でも「転移のない時期に早期発見」がかなり大切な要素であるようです。
 

横紋筋肉腫の再発は?

横紋筋肉腫は、再発しやすい腫瘍です。
その再発は、もともとの腫瘍発生の部位から起こることもあれば、転移の結果、他の部位から起こることもあります。こういった場合は、免疫細胞療法(免疫担当細胞を取り出し体外で増やして、治療に用いる)や抗がん剤の治療が考えられます。
 

まとめ

24時間テレビでは、毎年いろいろな病気と闘っている方の姿がクローズアップされます。見るたびにに、今自分が元気でいられることに感謝し、毎日を頑張っていこうという気持ちになります。
 

と同時に、そういった方々のことを理解しようとし、支えようとする気持ちが社会全体にも必要であり、大切なのだな、とも感じます。
 

単にお涙ちょうだいドキュメントとしてとらえず、力に変えていく姿勢を身につけていきたいものです。
 

 

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