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目指すのは安全な食事介助。今の方法で大丈夫?!

      2016/08/14

高齢者や嚥下障害のある患者さんへの食事介助。安全な食事介助のための正しい姿勢や方法を知っていますか?業務に追われる中で、つい見落としがちなポイントを、まとめてみました。

嚥下障害のある人への食事介助は、死につながりうる

先日、私の働く病院に入院してきた、嚥下障害のある患者さん。誤嚥性肺炎をおこしていました。何らかの原因で食べ物が気管に入ることで肺炎になってしまったのです。
 

その後、治療のかいもなく、息を引き取りました。
 

結局のところ、直接的な死の原因となった肺炎のきっかけは、「食事」だったのです。
 

つまり、病院や施設のスタッフは常に、食事介助が死のきっかけになりうるということを、肝に銘じる必要があるのです。

食事中の姿勢 6つの基本ポイント

 ①頭がのけ反らないこと

 ②スプーンは小さめ

 ③見上げさせる姿勢はダメ

 ④飲み込むときは唇を閉じる

 ⑤患者さんの呼吸に合わせる

 ⑥焦らず、和やかに・・・
 

それでは、一つずつみていきましょう。
 

①頭がのけ反らないこと

一度、体験してみると、よくわかります。
 

お茶でもなんでもいいので、少し顔をあげ上を向くようにして、飲み込んでみて下さい。
 

のど仏の下の方が、引っ張られるような感じがして、ちょっと飲み込みにくくないですか?いつもより少し頑張って飲み込まないと、ごっくん、と出来ないですよね。
 

のど仏の部分は、飲み込むときにグッと上に上がります。これがスムーズに出来る方が、嚥下(飲み込み)がしやすいのです。
 

ところが、上を向くと、のど仏が上下に動きにくくなります。そのため飲み込みにくくなるのです。嚥下障害のある人や、飲み込む力が弱い人はさらにその影響が強く現れます。
 

逆に、うつむきすぎてもいけません。のど仏の動きが制限されてしまうからです。
軽く顎を引いているくらいがちょうどよいのです。

②スプーンは小さめ!

柄の部分の話ではなく、口に入れる部分の大きさの話です。

以前、このブログで紹介したこともありますが、

↓↓↓   ↓↓↓
 小山看護師の食事介助 「食べる力」

スプーンの大きさには注意が必要です。
 

一口分の量が多すぎると誤嚥しやすく、少なすぎると逆に飲み込みにくくなるからです。
 

大体、ティースプーンくらいの大きさがベスト、といいますが、それは患者さんによって多少差はあるものと考えます。
 

一人一人の反応をみて、判断していくべきだと思います。
 

③見上げさせる姿勢はダメ

さてスプーンを口元に運びます。
 

このとき、スプーンが上から行かないように気をつけます。①の、頭がのけ反らないようにする、ということと通じますが、上からスプーンがくると、どうしても上を向いてしまいます。
 

そのため介助する人も、隣に座るなど、介助する高さを考える必要があります。
 

④飲み込むときは、唇を閉じる

これも、体験してみればわかります。口を開けたまま、唇を開いたまま飲み込むのは、とても飲み込みにくいです。しかしながら、脳梗塞などの影響で、唇が閉まり切らない人がいます。
 

その際は、口角の下を軽く下の歯に押し当てながら、介助すると飲み込みやすくなることがあります。
 

また、患者さんにも口を閉じるよう、促すことも大切です。
食事前に行う嚥下体操も有効と言われています。

⑤患者さんの呼吸に合わせる

呼吸と嚥下との関係・タイミングを見た研究では、ふつうの自然な嚥下では、まず軽く息を吐いてから、食べ物を飲み込み、ごっくんのあとにまた少し残りの息を吐く、といったサイクルになっています。
 

人によって息を吸って、息を止めながら飲み込み、ごっくんのあとに息を吐く、というサイクルになることもあります。
 

どちらにしても大事なことは、
 

「ごっくんのあとには、息を吐く」

ということなのです。
 

「ごっくん」のあと、息を吸い込むと、むせたり、誤嚥する確率があがってしまいます。
 

なので、むせないためには「ごっくんのあとには、息を吐く」ということが大事です。
そして、そのためには、介助する側が患者さんの呼吸をみながらスプーンを運んであげる必要があるのです。
 

もしも、息を吐ききったタイミングで口に物をいれたら、ごっくんのあとに息を吸いたくなるでしょう。その時、空気の流入に沿って、気管に食べ物が混ざることがあるのです。
 

特に喘息発作が出ている人などでは、注意が必要です。
 

ここまで考えて食事介助をしているケースが、現場で本当に少ないな、と感じています。
 

⑥焦らず、和やかに・・・

食事は楽しいものです。病院にいる患者さんは特に、食事が唯一の楽しみになっているケースも多いものです。
 

「次は、スープですよ」
 

「おいしいですか?」
 

「ジャガイモ、優しい味ですね」
 

と声をかけながら、楽しく、和やかに介助できれば、とっても素敵だな、と思うのです。

 

 

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