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家族が呼吸停止、心停止!さあ、胸骨圧迫できますか?AEDは?

      2016/07/14

目の前で、家族が呼吸停止、心停止ー。あなたは、胸骨圧迫の仕方を知っていますか?AEDをちゃんと使えますか?大事な家族が目の前で倒れたら、救急車が来るまでの数分間、家族を救うための知識がありますか?いざというとき、頭が真っ白・・・。なんて言っている場合ではないのです。

救急車が来るまでの数分間が勝負

「家族が倒れました!息をしていません、すぐ来てください!」と救急車に電話をしてから、救急隊員があなたの家にくるまでの時間は、どのくらいだと思いますか?

全国平均で、およそ8分30秒、と言われています。

あくまでもこれは平均値。当然、道路事情によっては、もっと時間がかかってしまうこともあるのです。

では、人が意識を失って、呼吸が止まってから一体どのくらい人は生きていられるのでしょうか?

一般的に、

呼吸が停止してから10分で、半数の人が亡くなると言われています。
また、心臓が停止してからでは、たったの3分で、半数の人が亡くなるそうです。

あなたが、家族が倒れてからすぐに救急車を呼んだとしても、最悪間に合わないことも十分にありえる、ということです。

救急車を呼んだ後、救急隊員が到着するまでの数分間が、生死を分けるといっても過言ではありません。
いいかえれば、あなたがしっかりと対処できれば、目の前の大切な人を助けることもできる、ということなのです。

一命をとりとめても、救急処置の良し悪しがその後の人生を決める

先ほど、

呼吸が停止してから10分で、半数の人が亡くなり、
心臓が停止してからでは、たったの3分で、半数の人が亡くなる

と書きました。

このことは、残りの半数の人は生存できる、ということではあります。
ただ、この数字を楽観的に考えてはいけないと言われています。

というのは、あくまでも「助かった」ということと、「日常生活に戻れる」ということは別物だからです。

心臓が停止し脳に酸素がいかなくなると、脳が部分的に死んでしまい、障害が残ることが多いのです。障害の程度は様々ですが、いわゆる「寝たきり」や、意思疎通ができない状態に陥ってしまうこともめずらしいことではありません。

「半数は助かる」ということではなく、「命は助かっても、その後の生活が大きく変わってしまう」ということだという理解が必要です。
人工呼吸器や経管栄養に頼りながら意識のない状態で生き続けても、「助かった」と心の底から言えるかどうか、は難しい問題だと思います。

医学は進歩しています。単に命だけを助ける、ということもできてしまうほど、なのです。
ただそれは、人間らしく生き続けられることとは直接つながらないことも多々あるのです。

AEDの使い方

分かりやすい動画があったので、こちらを。

基本的に、本体を開ければアナウンスが流れるのでそんなに困りません。
電極を貼る位置も、ちゃんと示してあります。

とりあえず、心臓を挟むように貼れればOKです。

心肺蘇生法は、昔とちょっと違います

数年前までと、少々やり方が変わってきています。「少しでも簡単に、とにかく心臓マッサージを!」というコンセプトのようですが、そのたびに、指導される内容が変わるので、こちらははっきり言って混乱します・・・。

(ちなみに、心臓マッサージは、正しくは「胸骨圧迫」です。)

救急車をよび、

AEDを頼める人がいれば頼み、

倒れている人が呼吸をしていなければ、その後はひたすら心肺蘇生です。
(その時呼吸をしていても、徐々に止まってしまうこともあるので、油断もできません。)

1分間に100回程度の胸骨圧迫 と 2回の人工呼吸

を繰り返します。

ちなみに、1分間に100回程度、というペースは、「もしもしカメよ~♪」と歌いながら圧迫するとちょうどいいそうです。救急隊員さんが教えてくれました。

確かに、ちょうど良かったです(笑)。
胸骨圧迫は、胸の真ん中でOK。真下に向けて5cm以上は押し込んで圧迫します。
裸にする必要はありません!

人工呼吸は、他人であったり感染症の疑いがあるときなどは省略してもいいので、

とにかく胸骨圧迫を続けることが大切です。

以前と違って、脈の確認は必要ないとされ、胸骨圧迫最優先がすすめられています。気道確保、人工呼吸、胸骨圧迫という手順変更となりました。

やり方が変わると、ちょっと迷ったりもしてしまうのですが、要は

「息してなかったら、さっさと胸を押せ!」ってことですね。

目の前の人が倒れたら、もうあなたしか助けられないと思え

家族で、食事中。テレビを見ているとき。夜中、トイレに起きたとき突然。

そんな状況で家族が倒れたら、もうあなたしかいません。
あなた一人しかいなければ、AEDを取りに行くこともできません。
迅速に胸骨圧迫を始め、救急車が到着するまで、一人で続けなければなりません。

救急隊員に言わせると、一人での胸骨圧迫は、「結構つらい」のだそうです。
救急隊員が到着したら、自分の膝が血まみれだったのにも気づかず、必死で胸骨圧迫していたケースもあったそうです。

それでも、できればまだましです。
いざというとき、「わからない!どうするんだっけ!!」とガタガタ震えて力が入らなくなる、という話も聞きます。

心肺蘇生法の図解

こちらは、分かりやすくいいと思います。日本医師会のHPから見ることができます。
(印刷して、私の自宅の壁にも貼ってあります。)

自分が倒れたときも、家族しか助けてくれないかも知れない

しっかりとAEDや心肺蘇生について復習し、よし!ばっちり!

はたして、そうでしょうか?

意外に抜け落ちているのが、「では、あなたを助けてくれる人はいるのか?」といった点。

例えば私は、家族でただ一人の医療従事者です。
もしも私が倒れたら、誰が助けてくれるのでしょうか?

おそらく誰も助けられないだろうな・・・と悟った時、先ほどの心肺蘇生法の図解を印刷して、実家に送り、自分の家にも貼っておきました。

自分自身を守るための手を打ったわけです。

子供も見える高さに貼ってあるので、ときどき子供も「これは、こうやるんだよね」と聞いてきます。小さいうちから、家族や友達を守る手段がある、という意識を植えつけてやれればいいな、と思っています。

まとめ。絶対に知っておいてほしいこと

友人夫婦が、スキーに行ったときのことです。
ゲレンデまでの道。吹雪で、前のトラックが道路を横断していた老人を確認できず、はねてしまいました。

友人夫婦はすぐに車を降り、雪の積もった路上に自分たちのコートを敷き、救急車を呼び、雪の中で心肺蘇生を繰り返したそうです。
雪のため救急車は到着が遅く、泣きながら心肺蘇生をつづけたのも空しく、救急車が到着したときにはすでに冷たくなっていた、ということでした。

とても優秀な友人夫婦でしたので、おそらくしっかりとした心肺蘇生法を施したはずではありますが、それでも「自分たちも助けられなかった」ことに、しばらくの間自責の念から抜け出せなかった、といいます。

その間、加害者となってしまった運転手は、ただ呆然と立ちすくんでいた、ということでした。

どれだけ自分が頑張っても、いろんな状況から助けられないときもあります。それでも、やはり自責の念に駆られるのです。しかしそれが、無知からくるものであったとしたら、そのために大事な家族を失ったのだとしたら、それはとても耐えられるものではないのではないか、と思うのです。

大切な家族のため、自分の身を守るため、そして無知からくる悲しい結果を少しでも遠ざけるために。

たくさんの人に、心肺蘇生のことを、もっと知っておいてほしいと切に願っています。

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